夜空の星☆

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昨日、訃報が届いた。
劇団民芸の大ベテラン女優の北林谷栄さんが
4月27日午後8時40分に永眠されたと・・・・・

私の中では、「となりのトトロ」(1988)の
サツキとメイが引っ越した田舎で出会う優しいおばあちゃんの声
として、印象深くこころに残っています。

「となりのトトロ」はジブリ映画の中でも特に好きな作品です。
今でも、新緑の季節に、こんもりした杜を見つけると、
「もしかしたら、この中にトトロがお昼寝してるかもしれない~☆☆」
などと想像してしまうくらいに好きなトトロ・・・

メイがおばあちゃんと畑で野菜を収穫するシーンの
あの温かいおばあちゃんの声の主が、北林谷栄さんでした。
何ともいえない独特の「方言」が、北林さんの味わいのある人柄となり、
故郷にこんなおばあちゃんがいたらいいな~と、私は大好きでした。

20代の頃からおばあちゃん役が多くなり、
その役作りの為に前歯を抜く、という凄い役者魂の人でした。

2002年の「阿弥陀堂だより」が最後の作品になったようです。
私はまだ観ていないので、いつか北林さんを偲びつつ拝見したいと思います。

ジブリ映画といえば、新作「借りぐらしのアリエッティ」が
完成したと訊き、愉しみにしているのですが、
先日お客様から「これ読んでみて~☆」とお借りした本があります。

それは上橋菜穂子著『狐笛のかなた』(新潮社)という
すこし擦り切れた文庫本でした。

最初の一頁を読んだだけで、私はすぐに「これはジブリ映画だ~(^^)v」
と感じました。

児童文学を書いていらっしゃる方なのですが、
これは大人の「ファンタジー」だと思いました。

作家の宮部みゆきさんが、こんなふうに書き添えていらっしゃるので
紹介させて戴きます。

『この美しい幻のような物語は、本来は子供たちのために書かれた
児童文学です。
でも、こんな面白い本を子供たちだけに独占させちゃうなんて不公平だわ!!
大人にも読ませて下さいよ!

一般に子供たちのための物語と呼ばれる文芸作品には、実は大人にとっても充分に
面白く楽しく得難いものがたくさんあります。
私たち大人も昔は子供だったのです。

本書は「物語なんてみんな都合のいい作り話じゃないか!」と考えている子供たち
のための物語です。
「物語なんてとうの昔に置き去りにして来た、きれいな夢だよ・・・」
と考えている大人たちの物語です。』


いつか出会いがあれば、この本を手にとってみて下さい。

最後に、夜空に煌めく星になった北林谷栄さんのご冥福をお祈りし、
今夜は、またひとつ増えたであろう星を見上げたいと思います。