私は戦後生まれです。
だから戦争を体験してはいません。
戦争を知らない世代の人間のひとりです。
でもなぜか私の中に戦争の生々しい記憶があるのです。
それは、もの心ついた頃からずっと物語や映像で
その当時のことを見たり聞いたりして来たからだと思います。
8月15日は、終戦の日・・・
65年前のこの日、第二次世界大戦は終息しました。
もちろん私はこの戦争を知りません。
が、恰も知っているような気になってしまうのは、
毎年この季節になるとマスメディアから、その悲惨さを教えられるからです。
8月13日、「色つきの悪夢」(NHK)という番組を観ました。
新聞の見出しには[カラーでよみがえる! 第二次世界大戦の記憶
▽これが戦争の現実だ ▽若者こそ見て欲しい迫力映像の衝撃
と書かれおり、これは観ておかなければいけないと思いました。
戦争の悲惨さを知らない若者には是非見て欲しい映像でしたが、
若者でなくても、私たちにもとても衝撃的なものでした。
当時の映像は勿論白黒のフィルム映像なのですが、技術の進歩!!です。
そのフィルムに色をつけることが出来るようになったのです。
白黒でも目を覆いたくなるような悲惨な映像が、色をつけることで
よりリアルになり、65年という長い月日を今に近づけてしまいます。
今迄公開されていない映像が多かったので、その衝撃も大きかったのですが、
私個人的には、第二次世界大戦というものについて知らない事実が
たくさんあったことに驚かされました。
それは教科書では教えられなかった「真実」でした。
何度も目を背けてしまう場面もありましたが、すべて現実です。
そして、観終えて感じたことは・・・
誰が善い悪いではなく、どの国が善くどの国が間違っているでもなく、
「戦争」というものがいかに最悪の悲惨なものかという事を
ひとりひとりの人間が知らなければいけないということでした。
「世界大戦」というくらいですから、実に多くの国が
この戦争に拘っていて、犠牲になった人が世界中にいらっしゃいます。
本当に「犠牲者」としか言いようがないと思う人達の骸が、
映画でもドラマでもなく実物の骸が、そこらじゅうに横たわっているのです。
その、ひとりひとりに守りたい家族や、愛する人がいたはずです。
好んで戦ったのではありません。
富も名誉もいらない。
ただ愛する人や家族と平凡にささやかでいいから幸せに暮らしたいと
思っていた人々が、その願い叶わず命を賭して横たわっていました。
今、日本はとりあえず平和ですが、もし、
あなたの大切な恋人やご主人が戦争に駆り出されることになったら・・・
あなたの大好きなお父さんやおじさんが、戦わなくてはならなくなったら
どうしますか?!
戦争でしあわせを得ることはありません。
戦勝国にも、犠牲者は必ずいます。
ひとりの犠牲者も出さず戦争を終えることなどあり得ません。
戦争をして喜ぶのはごく一部の「武器商人」だけです。
『二度とこんな悲惨な戦争をしてはいけない!!』
今の平和の上に胡座をかいているのではなく、
この平和を願って命を賭した多くの人達の犠牲の上に今がある
ということを、改めてひとりひとりが胸に刻んで欲しいと思います。
今朝も平穏な朝を迎え、晴れた空があり、蝉が鳴いています。
今日も一日みなさんが平和に過ごせますように・・・