泣き納め

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12月29日・・・
開店以来初めて、一日早く年末営業を
終了させて戴きました。
そうと知って駆けつけて下さったお客様・・・
「出前お願いしてもいいですか~?!」と
スタッフ全員の珈琲をご注文下さったI薬局さま~☆
お正月用の珈琲や葡萄ジュースをご購入下さったお客様・・・
と、今年の吹野も皆様のお蔭で賑やかに
締め括る事が出来ました。

その締め括りのお客様の中に、ブログ「娘の想い」で
紹介させて戴いた方がいらっしゃいました。

病床のお母様へ「キャラメルバナナトースト」を
持ち帰りたいと仰る娘さんです。
あのブログの後も、もう一度お電話がありました。
何も召し上がらなくなったお母様が、
「キャラメルバナナトーストなら食べる~☆」
と仰ったのだそうです。

ホイルに包み手渡すと、娘さんは急ぎ病院へ引き返されました。
その時彼女の残した一言・・・
「たぶん一切れを食べるのがやっと・・・だと思いますが、
兎に角食べたいというものは、何でも食べさせたくて、
ご無理を言って申し訳ありませんでした」と・・・

彼女の切羽詰ったような声が、母上の病状が思わしくないと、
私に感じさせていました。

それから月日は流れ、12月29日・・・
その娘さんは丸々と太った男の子を抱き、妹さんらしき人と
笑顔で入って来られました。

気になっていたのでお顔を見て、ほっと胸を撫で下ろしました。
すぐにも、お母様の様子を伺いたかったですが、
何故かしら、問う事が躊躇われました。

オーダーは二つのお飲み物と、やっぱりいつもの
「キャラメルバナナトースト」でした~(^^)

ご注文の品を作り終え、供したあと、
思い切って気になっている事をお尋ねしました。
「お母さん、如何ですか~?!」と・・・

「今日はそのことで伺いました。じつは・・・」
少し腰を浮かせて改まってそう言い始めた彼女の
次に続く言葉は、そうであって欲しくない!!と
私は耳を塞ぎたくなりましたが
「11月に亡くなりました」と聞こえてしまいました・・・

涙を堪える事が出来ない私に、妹さんとふたりで、
「お世話になり有難うございました。
 今日はお礼を言いたくて来ました」と言う
おふたりの目にも涙が溢れ出していました。

まだ若い姉妹・・・
おそらくお母様も、60歳前後だったと思われます。
あまりにも早過ぎました・・・

実は、お名前も存じ上げないご家族の出来事です。
けれど、とても身近に感じられ、悲しみが止まりません。

お母さんが口に運ぶバナナを無邪気に
美味しそうにモグモグと食べている幼子に、
「美味しいですか~?!」と声を掛けると、
美味しいです~☆と応える代わりに
満面の笑みを返してくれました。
「おばあちゃんの好物だよ~☆☆」と語りかける母・・・
「おばあちゃんの分まで食べてね~(^^)」と私・・・

出会いがあれば必ず別れがある・・・
解っていても、辛い・・・悲しい・・・

「今年最後の営業に間に合ってよかったです~☆(^^)」
と、兎に角報告に来たかったと言ってくれた二人でした・・・

思いっきり泣いたら、あとは涙を拭いて、
しっかりと強く生きていって欲しいとただ願うばかりです。

天国のおかあさん、娘達を見守ってあげて下さいね~☆(^^)☆

2010年、泣き収め・・・でした。