少し前になりますが、Sさんとお話をしている時のこと。
昨年6月にお父様を亡くされたSさんが、
その当時の想い出を語って下さった時、
その病院にとても素敵な看護婦さん(今は看護士と言いますが
私はあえてこう呼ばせて戴きます)がいらして、とても親身に
なって下さったそうです。
その方の瞳がとても美しいので病床のお父様が、
出なくなった声を振り絞り、その看護婦さんの耳元に
「きれいな瞳しとるな~☆」と囁かれたのだそうです(^^)
その声を聞き取る事が出来なかった看護婦さんが
「え~?!な~に~?!」と訊き返されたので代わりにSさんが
「きれいな瞳だ~って言ってます(^^)」と伝えた・・・
そんなお話でした・・・・・
その時私の脳裏に蘇える人がいました・・・
今は亡き父が入院している時にも、私たち家族に
優しく寄り添って下さった看護婦さんがいらっしゃいました。
その「春美さん」のことを想い出したのです(^^)
父が最期の10日間を過ごした病室の担当をして下さったのが
いつも笑顔の「春美さん」でした・・・
何人かの看護婦さんが交代でついて下さるのですが、
私はその中で「春美さん」が一番好きでした~☆
心細い私たちを励ますように、いつも笑顔で、
呼吸器を持って来て下さる時も、吸引口に可愛い動物の顔が
付いている物を持って来て下さり、父が嫌がらずに出来るよう
小さな気配りをして下さったのが春美さんでした。
その日の午後、病院に居る家族から珈琲屋に
「急がなくていいから、ゆっくりでいいから、
気を付けて運転して、病院に来て・・・」
と電話がありました。
その日の朝、父のベットの側から離れたくない衝動に駆られ、
今日は店を休む!!という私に、何かあったらすぐ連絡するから、
安心して仕事に行きなさい・・・と無理やり病院を出た日でした。
なんだかそんな胸騒ぎがあったのは、気のせいではなかったようでした。
幾度も深呼吸を繰り返し、慎重に運転を・・・と心掛けながらも、
自然に涙が溢れ、何度も手で拭いながら病院へ向かい、
病室に駆け込むと、家族よりも先に、
父の一番側に居る春美さんの姿が目に飛び込みました。
泣きながら駆け込む私に、その一番側の席を譲ると私に、
バトンタッチだよ(^^)というように、いつもの笑顔を注ぎ、
静かに病室を出て行かれました。
10数年過ぎた今でも、その光景をまだはっきりと憶えています。
大切な家族を病院で看守るとき、一番身近で頼りになるのが
看護婦さんでした。
その中でも春美さんが一番私たちに寄り添って下さっていて、
春美さんがお休みの日は心細かった・・・
そんなことを想い出した翌日、その春美さんが珈琲屋に!!
吹野にはいつもこんなサプライズが起こります!!(^^)
こんなふうに、時々晴美さんは吹野へおいで下さいます。
あの時のほんの10日間だけのご縁です。
でも、なんだかず~っと長くお付き合いさせて戴いているような
そんな親しみを感じさせる人です・・・・(^^)
あれからいろんなことがあり、春美さんもこの春で
仕事を辞めることを決断されたそうです。
ほんとうに、大変なお仕事だったと思います。
これからは、お孫さんを看ながら、少しゆっくりして、
それからまた新たなお仕事をしていかれるとか(^^)
あの頃とちっとも変わらないあの笑顔で、
そんなお話をして下さいました。
「白衣の天使」なんてもう今では使われない言葉かもしれませんが、
私のとって春美さんはやっぱり「白衣の天使」です(^^)v
今年は、早いもので、父の「十三回忌」・・・です