東北の「ガレキ」が何台ものトラックを連ね
東京へ運ばれてきているとニュースが報じています。
この「ガレキ」という言葉を聞くたびに胸が痛みます。
ガレキとは漢字では「瓦礫」と書きます。
辞書を引くと ①かわらと小石
②つまらぬもの ねうちのないもの とあります。
ガレキとなった今は、ねうちのないつまらぬもの
かもしれませんが、3月11日のあの震災が起こる前は
それぞれそこに暮らす人々の生活に欠かせない
必要不可欠なものばかりだったはずです。
家族みんなのたいせつな家の柱だったり屋根だったり
食卓や食器棚や勉強机だったはずです。
学び舎の廊下や下駄箱、教室や机や椅子だったはずです。
おじいちゃん、おばあちゃんの住む
年に一度は帰る懐かしい故郷の家だったかもしれません。
それらが、震災後一瞬にして「ガレキ」と呼び名をかえられ、
廃棄する場所に困る厄介物扱いされるようになったのです。
建てたばかりの新築の家もあったでしょう・・・
たいせつな想い出の品々もあったでしょう・・・
それが無造作にトラックに積まれ、廃棄場にガラガラと
棄てられていく様子をみるのは、胸引き裂かれる思いです。
珈琲屋吹野も老朽化激しく、やがていつか必ず
ガレキと呼ばれるものになります。
できるだけ長くその存在を柱と呼ばれ、棚と言われ
この心地良い空間と云って戴ける建物であり続けられるよう
あとどれくらいかわかりませんが、たいせつに存続させたいと
改めてこころに刻みました。
ガレキ・・・なんてかなしいことばでしょう・・・