邯鄲

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秋の野山に吹くその姿は見えないが、
はっきり秋の気配を感じさせる風を「色なき風」
というのだそうです。
平安時代の三十六歌仙のひとり紀友則が
『吹き来れば 身にもしみける秋風を
        色なきものと 思ひけるかな』
と詠んだことが由来とされているそうです。

平安時代と同じ風が今も流れている・・・
と思えばまた、感慨深いものですね(^^)

風の他にも秋を感じさせてくれるものに
「虫の音色」があります。
これは俳句の「季語」にも用いられる秋の風物詩で、
我が家の庭でも毎年涼しげな音色を聴かせてくれますが、
今年の鈴虫は例年になく美しい音色を奏でているように
感じるのは我が家でしょうか?!

秋の虫には鈴虫だけではなく蟋蟀(コオロギ)やキリギリス
がいますが、邯鄲(カンタン)をご存知でしょうか?!

私も先日初めて知ったのですが、調べてみると
バッタ目コオロギ科の昆虫で、体は細長く鈴虫に似て
長さ約12ミリと小さく、淡黄緑色で草の間に住み
「りゅうりゅう」と美音を発するそうです。

余談ではありますが、この邯鄲は中国河北省南部の都市
の名前と同じなので、もしかしたらこの虫の産まれは
中国なのかもしれません(^^)

そして面白いことを聴きました!!
俳句の世界ではこの虫たちの格付けがあるのだとか(^^)
一番格が高いのがその邯鄲だそうです。
その姿が美しく余り多く生息していないというのも
理由のひとつなのではないでしょうか?!

ランキング2位は鈴虫 これは皆さんよくご存知でしょう。
バッタ目コオロギ科で体長約2センチ。
「りーんりーん」と鳴きますが、辞書によると東京以南に
分布とあり、平安時代の松虫のこと、だそうで驚きました。
東京より北にはいないと言う事ですよね!!

続いて第3位がキリギリス
バッタ目キリギリス科で、糸状の触角が体長より長い点で
バッタと区別するのだそうです。体長約35ミリ
雄が「ちょんぎいす」と鳴くのはよく知られていますね。
辞書にコオロギの古称とあるのが気になりました。

さて最下位がその蟋蟀です。
バッタ目コオロギ科の昆虫の総称だそうです。
体長2センチ内外で夏から秋にかけて鳴き、
古くは秋鳴く虫の総称と・・・
要するに蟋蟀はどこにでもいるので
誰でも俳句に詠むことができたから格下とされたのでしょう。

虫たちは人間にそんなランキングをされているとは知らず
夜毎草叢で羽をすり合わせて美しい音をきかせてくれています。

姿は見せずその音だけで秋の風情を醸し出し
私たちを愉しませてくれる虫たちに感謝す秋の宵・・・

さて先日NHKカルチャーにご参加下さり、
ご主人とご来店くださると仰っていた方が息子さんも伴い
3人でおいで下さいました。

大学生の息子さんはいずれカフェをやりたいという
密かな夢をお持ちだとか!!
32年の経験を少しだけお話させて戴きましたが、
何かの参考になれば幸いです(^^)
ご主人は「美味しい」と言ってくださったのでしょうか?!
また感想をお聞かせ願いたいと思っております(^^)