それは10月8日の午後4時頃のことでした。
珈琲を飲み終えお帰りになるお客様が
レジの前に来られお会計をしようとした時でした。
いつものようにレジの金額を押し右のRのキーを
押そうとするのですが動きません!!
その前のお会計の時は動いたのに・・・です!!
そのRが動かない事にはお金が入っている
引き出しが開きません!!
すぐにその異変に気付いたお客様は
お釣りが出ないと察してくださり
お財布の中の小銭を捜してこの苦境を乗り越える
手助けをしてくださり事無きを得ました。
さてそれからです!!
何とか引き出しを開けねば!!と試行錯誤
あっちやこっちをガチャガチャやってみるのですが、
引き出しは堅く閉じたままビクともしません・・・
8日は祝日でお休みかとも思いましたが
レジを購入した事務機屋さんに電話してみました。
案の定応答ありません・・・
吹野のレジは人気者でした(^^)
SWEDAというドイツのメーカーの古い機種で
昔のタイプライターのようなキーが並び
お会計の度毎にガシャガシャと大きな音を立てました。
60代以降の方々は「懐かし~い」と仰り
若い方々は「わあ~凄い!!何コレ?!」と
驚きの声をあげ、時には「そちら側を見せてもらえますか?!」
と操作する私の側を見たいと仰る方も沢山いらっしゃいました。
翌日事務機屋さんに再度電話をしたのですが、
やはりSWEDAを修理できる方は
もういらっしゃらないという返事・・・
購入した当時(31年前)で既に古い機種でしたから、
そのメンテナンスをできる方も当時その方ひとりだけでした。
予想通り、このレジを修復することは無理・・・という事に
がしかし、中に残っているお金は取り出さなければと
心当たりの頼れる方々に何人か連絡させて戴きました。
忙しい中駆けつけて下さったIさんもその機種の古さに唖然!!
ネットで検索して下さったIさんの報告によると
SWEDAという会社はもう無い、しかも倒産の理由が
故障しないレジの製造をしていたからという皮肉な話で・・・
そうなんです
吹野でも一度も壊れる事無く30年以上も働いてくれたのです。
数年前から油切れかと思われるような音を立ててはいましたが
ずっと動き続けてくれていました。
壊れないから倒産・・・とは、あまりにもせつない・・・
これまでずっとこのレジを愛して下さったみなさん
大変申し訳ありません!!
新しいレジを購入しましたが、このSWEDAを処分できず
暫くは店内に置いておこうと思っています。
長い間ありがとうSWEDAくん