履歴書

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『履歴書在中』と赤い文字のスタンプが押された封書が
突然届いたのは4月の初め頃でした。

何かの間違いではないかとよくよく見たのですが、宛名の住所も名前も
ここ珈琲屋吹野に間違いありません!!

総務部人事課長宛に差し出されたその封書を恭しく開けるとやはり
中からあの『履歴書』が出てきました!!

それは紛れもなく珈琲屋吹野へ就職希望する女性から送られて来たものでした。
とても知的でしっかりと自己主張する方と察せられるお顔立ちの女性の写真が
添付されており、群馬県高崎市にお住いの海外生活も経験された方でした。

バリスタになりたい・・・とその意欲は履歴書からひしひしと感じられましたが、
私はまだ「バリスタ」などという呼び方が誕生する30年も前に珈琲の淹れ方を
学び30年以上を経て尚その古いやり方を続けている職人でありまして、
とてもこの方のなりたいと仰ることを伝授して差し上げることは出来ないので
お詫びのお返事をさせて戴きましたが、内心少し嬉しかったです。


これまで、春、夏、冬の休み前になると「アルパイ募集していませんか?!」と
学生さん達から電話がかかって来ることはよくありました。
他にも年齢制限でぱート探しが困難な知人たちが皿洗いでいいから雇って!!
などと言って来ることはしばしばでしたが、こんな風に正式な履歴書が
送られて来たのは初めてのことでした。
今はネットの時代で色々な情報を得ることが可能ですが、この方がどのようにして
吹野を知り吹野に就職したいと思われたのかとても興味深いです。

すると先日更なる若い就職希望者が現れました!!

お母さんと二人で念願の珈琲屋吹野にやって来た「タイガくん」九歳です。
お母さんはタイガくんが生まれる前からよく吹野へ来て下さっていました。
そのお母さんの口から語られる珈琲屋吹野がタイガくんにとってとても魅力的だった
ようで、ずっとここへ来たいとせがんでいたというタイガくん(^^)

やっと願い叶っていっぱい食べて飲んだタイガくんが言ったのが
「お母さん僕夏休みここで働きたい!! お皿洗いたい!!」でした

なぜ、突然彼に勤労意欲が湧いたのかわかりません!!

おうちでよくお台所のお手伝いをしますか?とお母さんに訊ねても
一度もありませんと仰る・・・
私が洗い物をする様子がそんなに愉しそうだったとも思えないのですが・・・

窓際の席から厨房までお母さんのダメ出しにも負けず食べ終えた器を
壊さないようにと両手でしっかり捧げ持ち運んでお手伝いが出来たつもり(^^)

トイレから帰って来た時はペーパーの芯を右手に掲げ
「ペーパーが無くなったから交換しておいたよ」と
立派にお手伝いが出来ました(^^)/

私は心強い助っ人にこんな条件を出しました。
おうちでしっかりお母さんのお手伝いをして、お皿洗いを練習し、
お母さんからOKが出たら吹野へ働きに来ていいよと・・・

4月は就職希望者続出の月!!! でありました