イラストレーターのタマゴさん

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それは今年の夏頃のこと。
二十歳代の女の子が名刺を差し出し「お願いがあります」と
勇気を振り絞るように精一杯の声で語りかけて来ました。

彼女の名刺の肩書は「イラストレーター」で、申し出はこうでした。
自分の描くキャラクターの女の子が珈琲屋吹野に居る姿を描かせて欲しいと。

そのキャラクターの女の子が色々なお店に登場するシリーズを描きたいと思い
リサーチを始めた時、最初に候補として挙がったのが珈琲屋吹野だという。
とても光栄なことで、是非その出来上がった作品を見てみたいと思った私は
勿論快諾しました!!

そしていつの間にか月日は流れ、その出来事をすっかり忘れかけていた頃
「作品が出来上がったので、見て戴きたいんですが宜しいでしょうか?!」
と電話がったのが先週の事。

そして15日にその作品は珈琲屋吹野にやって来ました!!

イラストレーターのタマゴのshimaさんは、抱えて来たバックの中から
その作品を大きな大きな深呼吸を何度も繰り返し「あ~緊張する~!!」
と言いながら40時間もかけて描き上げた作品をカウンターの上に置きました。

きっと昨夜はドキドキして眠れなかったのでは・・・なんて想像してしまう。

そんな彼女の一生懸命に描いた作品は私を一瞬にして感動させました。

忠実に描かれた吹野の店内で珈琲を飲みながら静かに本を読むそのキャラクターが
窓ガラス越しに射す光の中で清楚に座っていました。

棚に並ぶカップや小さな人形たちまで細かく描かれており、
窓から射す光や面取りガラスの輝き方の陰影や珈琲の湯気まで
細かく細かく描かれているのです!!

数日間、shimaさんは、ずっとこの作品と向き合い、
何度も何度も手を加え書き直し、やっと完成した作品なんだろうと思います。

「凄いよ~ 凄いね~」と私は絶賛した。

その言葉にshimaさんは、やっと緊張がとけて少し照れたように微笑みました。siho.jpg

それから徐に震える手でサインをし、額に入れると
「もしよければ、お店のどこかに飾って下さい」と・・・

勿論喜んで受け取らせて戴き、店内に飾りました。

いつかshimaさんが一人前のイラストレーターになる日を愉しみにこれからも頑張って珈琲屋吹野を続けて行こうという元気を貰った気がします。

そのキャラクターの最初のお店に吹野を選んでくれてありがとう(^_^)v

皆さんもご来店の際はそのイラストをご覧戴きたいと思います(^_^)v