平成29年 寒中お見舞い

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平成29年になって、はや2週間が過ぎてしまいました!!

今日は今年最大の寒波襲来!!というので誠に勝手ながら臨時休業をさせて戴きました。

吹雪いているかと思えば、急に太陽が燦々と明るく照りつける・・・の繰り返しに
お休みにしたことをその都度悔やんだり、これで良かったのだと決断を肯定したり
心は揺らぎ続けています(笑)

予報によれば、今夜から明日の朝までがピークとのことなので、
明日は開けられるかと期待しているのですが・・・


そこで今回は昨年末の出来事を綴りたいと思います。

2012年に取材を受けた島根県立大学短期大学部の総合文化科の学生さんたちが刊行
している『のんびり雲』という文化情報誌を、取材後毎年お送り戴いており、
昨年末も第10号が大塚先生より届きました。

今年は何の特集かな?とワクワクしながら冊子を取り出し頁をめくり、相変わらずの
学生さんたちの愉しげな様子を写真で拝見し、最後の頁に辿り着いた時、凍り付きました。

『休刊のお知らせ』という文字が飛び込んできたからです!!

そこには大塚先生のこんな文章が・・・

突然ですが「のんびり雲」は今回をもって休刊することになりましたのでお知らせいたします。
企画、取材、原稿執筆、編集、レイアウトを経験ゼロの学生と教員でスタート。
11年間に編集に参加した学生延べ204人、山陰各地およそ180か所を駆け巡り・・・

大切にして来た視点(精神)は
「地味で平凡でなかなか注目されることのない名もなき文化に着目し、
                   掘り起こし大切にしていくこと」

最後に
のんびり雲は「大切なものは何か?」という問いに出会うための旅だったのではないか・・・


この大塚茂先生の言葉に私は何故だが涙が溢れだし、ただ泣いてしまいました。
4年前、大塚先生と可愛らしい学生さんたちが取材に来て下さった日のことが
まるで昨日の事のように思い出され、11年間の先生の口に出さないご苦労が
何だかひしひしと感じられ、感動がこみあげて来たのです。

何人かの人に、先生のこの文章を読んでもらったのですが、その人たちには
なぜ休刊をするのか、この文章からではわからない・・・と言われ絶句・・・

確かに、はっきりとした言葉では綴られてはいませんが、その行間から
私には伝わってくるものがあり、苦渋の決断をされた先生の想いを
感じ取ることが出来たのですが・・・そう感じているのは私だけ?!
と、不安になりましたが、たぶん、きっと、私が感じたことは
大塚先生の想いと通じるものであると信じています。

いつか、機会があれば、先生とそんなお話を出来ればいいな・・・と

大塚先生、11年間本当にお疲れさまでした<(_ _)>

「地味で平凡で、なかなか注目されることのない名もなき文化」
として、珈琲屋吹野に着目し、取材に来て下さり、本当にありがとうございました。
とても光栄に思います。

2012年の第6号に珈琲屋吹野が掲載されていたのを見て取材に来てくれた
山陰中央新報の女の子は、この短大の卒業生であることを明かされたり、

カフェを始めたいという卒業生に大塚先生が珈琲屋吹野へ行ってみなさい
と仰り来ましたという女の子が現れたりと、大塚先生とのご縁は
今も脈々と繋がっていると感じています。


また、新たな先生の「愉しみ」を見つけて下さい。
これからもどうぞお元気で!!


 

ご挨拶2016

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平成28年の営業も昨日30日にて終了しました。

みなさんのお蔭で今年も一年間愉しく営業させて戴きました。
本当にありがとうございました。

ブログの更新は相変わらずで、お待たせしてばかりで恐縮です!!


皆さんにお伝えしたいこと、お話ししたいことは沢山あるのですが、
それはこれから追々させて戴きますので、どうかながーい目で
見てやってくださいませ<(_ _)>

新年は3日より営業致します。

どうぞ宜しくお願いします!!

米子はとても穏やかな大晦日となりました。
今年は各地で災害も多く悲しい出来事が続きましたが、
来年は皆様にとって穏やかで明るく倖せいっぱいの年になりますよう
心よりお祈りして、今年最後の更新とさせて戴きます。

来年も珈琲屋吹野をどうぞ宜しくお願い申し上げます。

ありがとうございました<(_ _)>

錦秋の大山に挑む

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平成28年9月24日午後1時
私は中国地方の最高峰、その美しさから「伯耆富士」と呼ばれる
標高1709メートルの大山の頂に立っていた。

まさかこの歳になって大山の頂上を目指すとは努々思っていなかったことでした。

遡ること20年前、もうこれが登山に挑戦できる最後の年齢だろうと
私は一大決心をして大山に登っているのである。

なのにまた、その20年後に登ることになろうとは・・・

きっかけはお客様の小さな呟きでした。
「来月、九州の佐世保から来るお医者さんと大山に登ることになって・・・」
というひと言に、偶然隣に座っていた昌美さんが食いついたのでした。

富山県からこの米子に嫁いできた昌美さんは以前から一度大山に登ってみたい
と言っていたのを私はしっかり憶えていましたから、この食いつきは当然のこと
と思いましたが、更にこのあと展開するであろうことも予測し、これはマズイ!!
ということも察知したわけで・・・

予測は的中!!
「吹野さんも一緒に登ろうよ!!」と昌美さんは笑顔で言い放ち・・・

「イヤイヤ私はムリムリムリムリ!!!!!!!!!!!!!」
大慌てで拒絶したものの、呟いた旭さんまで「吹野さんも是非!!」と
待ってましたと云わんばかりに笑顔で私を引きずり込もうとするわけで・・・

昌美さんにのせられるままに登山用の靴を買いリュックを買い
必須アイテムのポール2本も知人に借り、9月24日早朝、錦秋の大山の麓に
颯爽と集結した6名の勇士の中に何故か私もいたのでした(笑)

チーム旭は、リーダーの旭さんと、佐世保のドクター2名と昌美さんと私
ここまでの平均年齢は60歳?ってとこですが、19歳の若者が一人加わり
平均年齢を下げてくれました(笑)

この老若男女、男子4名女子2名の珍道中の始まりは
大神山神社奥宮からスタートする行者谷コースでした。

一般的には夏山登山道を行くのですが、私は登ったことが無いこのコースを
希望したのでした。

難所もあり、慣れない登山者には不向きだという意見もあるコースですが、
私には最高の景色のとても素晴らしい登山道で、大満足でした。

歩き始めてすぐに私は珍しい植物や花につい目を奪われ
立ち止まり写真を撮ったりで、いつの間にか先行者との距離が
広がってしまっていました。

そんな私のマイペースに付き合って下さっていたのが旭さんで、
初めのうちは、若者も付き合ってくれていたのですが、やはり
元気溢れる若者のこと、どんどん先を行き、4対2のチームに
分かれてしまっていました(笑)

道中の楽しかったことは行き交う人々との交流でした。
県外からの登山者も多くすれ違うごとに
「こんにちわ」と声を掛け合うのがとても爽やかでいい!!

最も感動したのは3歳の男の子!!
パパとママはちゃんとした登山の装備だけど、その子はまるで
近くの公園にでも遊びに来たかのような軽装・・・なのに一生懸命
自分の足で黙々と登り続けているのです。

お互い途中休憩をとるので、その都度抜きつ抜かれつ・・・
その度に声を掛けあいハイタッチして励ましあい、良きライバルでした(笑)
登山者の年齢層は幅広く、90歳の御夫婦も!!!

もうひとつ励まされたものがどこからともなく聞こえてくる優しいメロディー・・・
誰かのスマホの着信音か?・・・と思ったら何と
行く手にオカリナを吹くおじさんが立っていたのです!!

トトロのテーマや、アンパンマン、里の秋などを吹いて
「このリズムに合わせて歩くと楽に登れますよ~
 もうすぐ頂上だから頑張って!!」って優しく
みんなに声をかけてくださっていたんです。
嬉しくなって私そのメロディーに合わせて歌いだしていました(笑)
そしたら旭さんもつられて歌っていました(笑)

本当にその日は登山者が多く、私たちが登る頃に下山してくる人達もいて
行き交う者同士が道を譲り合うことも何度もありました。

その度に「こんにちわ」「ありがとう」の声が行き交う。

山はいいなぁ~って、つくづく思いました。

途中で見下ろす下界の景色も、雲の流れも、空の青さも
何もかも感動!!です。

それ程の疲労感もなく、頂上に辿り着くと先に登頂していた4名が
それぞれに座り込み、寝っ転がり、体を休めていました。

1709メートルの頂は快晴!!
360度の大パノラマは、全ての疲れを吹き飛ばし爽快です!!

待ちに待った昼食は、おにぎりとカップ麺と
昌美さんが持って来てくれたゆで卵、食後の珈琲どれも美味しかった!!

お湯を沸かす為に近くにいた男子にライターを借りたのですが、
その子たちは短パンにTシャツ姿で手ぶら!!

運良くその日は快晴で私たちも防寒用に用意していた衣類は
無駄になるほどでしたが、運が悪ければ山の天気はコロコロ変わる!!
若さゆえの無防備なのか?
食べきれなかったおにぎりを進めると
大喜びで頬張って、これもいい交流でした。

350ml缶のビールが山頂だと800円ですが
飲む価値はある!!
滅茶苦茶美味しかった\(^o^)/

そして2時30分頃、下山し始めたのですがアクシデント発生!!

木道を歩き始めて100メートルも行かないうちに両足が攣り始め
歩けなくなってしまった私!!!!!

もうこのまま地上に降りることはできないのではないか・・・
大袈裟ではなく、一瞬そんなことが頭を過った。

必死に足をマッサージしてくれる昌美さんとドクターのお蔭で
再び歩き出すことができ、登りの時と同じく後ろから励まし続けてくれる
旭さんに付き添われ、無事下山することが出来ました\(^o^)/

足の痙攣は水分不足だったようでした。

ポールのお蔭で筋肉痛も殆ど無く、翌日も通常通りお店を開け、
心配して来て下さった旭さんも「臨時休業じゃなくて良かった!!(笑)」と

初めての大山登山に大満足の昌美さん!!
私は小学生の時と中学生の時と、二十歳の時と最後と思っていた20年前と
その20年後の5回目の登山を成し遂げました。

体力に自信を無くしかけていた今年、この登山は大きな自信になりました。
まだ大山に登るだけの体力があるということに勇気をもらいました。

チーム旭のみなさん、本当にありがとうございました。

さて6回目が有るや・・・無しや・・・

鳥取県中部地震

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2016年10月21日午後2時7分 突然揺れた。
何の前触れもなく激しく揺れた。

店内は騒然となり、一瞬16年前の西部地震の記憶が甦った。

暫く続いた揺れはやがて治まり、何一つ落ちてくるものも無かった。

居合わせたお客様は名古屋から友人に会いに来ていた女性と
今夜のライブの為に東京から来たというギタリストも・・・

直後から神戸、和歌山、大阪、高知、東京、栃木、千葉、神奈川より
心配のメールや電話をもらいました。

被災したばかりの熊本のSくんは
「珈琲カップなんか気にしないで、とにかく屋外に逃げて」と

東京のTさんは
「今夜はいつでも飛び出せる服装で、枕元には貴重品と靴を置いて寝るのよ!!」と

貴重なアドバイスも戴いた。

やがて今回の震源は西部ではなく中部だということが分かり、
中部に住む知人の事が心配になりメールを送ると辛い返信が・・・

地震の脅威を改めて思い知らされた。

全国から心配の電話やメールを戴き、本当に有難うございました。

自宅も店も、家族も私自身も無事でした。

このブログにコメントをくれた島村君、返事が遅くなりましたが
無事ですから安心してください。
気にかけてくれてありがとう!!

米子は殆ど余震はありませんが、中部ではまだ微震が続いています。

どうかこれ以上の大きな揺れが来ないことをただ祈るばかりです。

H氏のつぶやき

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それは9月のとある火曜日のこと・・・

近くのめがね屋さんが男性を伴い来店され、
席に着くやいなや「どぉ~ 凄いでしょ!!
こういうのが僕のイメージする昔からの喫茶店なの!!
だけど貴方の思っているのとは違ってるでしょ?!!!」

入って来るなりそんな会話が聞こえて来た。

二人はカウンターに腰かけ、めがね屋さんの
珈琲屋吹野自慢(笑)が始まり、私はバタバタと立ち働きながらも
とても嬉しくその話に聞き耳をたてていた。

めがね屋さんのH氏の話はこう続いた。
「この店、何年になると思う?!
 もう30年以上だよ!!
 でも、ちっとも古さを感じないでしょ?!
 何でか、わかる?!
 本当にいいものは、どんなに年月がたっても古く感じさせないの!!
 僕が言いたいのはそういうことなんだよ」と・・・・・

それと同じことを、その雑誌の編集者も思ってくれての事なのか?
偶然にも、その時カメラマンと編集長が到着された。

山陰の情報誌の表紙撮影の依頼が前日あり
お受けしていたのでした。

という訳で、珈琲屋吹野が Lazuda 10月号
   どこか懐かしくほっとする クラシックカフェ  の
表紙となり、9月25日に発売されました。

もしも書店で、お目に留まりましたら、ご笑覧ください(^_^)v

めがね屋さんのH氏のつぶやきに私がただ35年間続けて来ただけものを 
そんなふうに表現して下さったことに新鮮な驚きと感動を覚えたのでした。

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