森に棲む希少動物

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みなさんは「ヒメホタル」という蛍をご存知でしょうか?!

私がその存在を知ったのは、2年前の梅雨でした。

15年程前に、広瀬に蛍を観に行って以来、ずっと蛍との縁がなく、
無性に蛍が観たくなったと友に話したところ、彼女も同じ事を想っていたようでした。

が、そんな話をした時は、もうゲンジ蛍やヘイケ蛍は短い命を終えている頃でした。
もう少し早く思いつけばよかったね(笑い)と私が言うと、その友が
何だか今からでも「まだ間に合う蛍」がいるらしいよ☆と瞳を輝かせるのです!!

そして翌日、彼女が朗報を運んで来てくれました☆
彼女のご主人が、その蛍を観に連れてってくれる☆☆と言うのです♪♪

2007年7月7日
あたりが薄闇に包まれる頃到着したのは、日南町の福万来。
地元の方の案内で、川沿いの道を山へ向かって車を走らせる事10~15分
「この辺りかな~」と車から降ろされると、すでに先客あり、
その後も続々車が静かに近づいて来ては、まるで声を潜めるかのように
そっと車のヘッドライトを落します。
それは「暗黙のルール」でした。

やがてどっふりと日が落ち、隣にいる人も見えないくらいの闇に包まれた頃、
森の中で、まるでクリスマスツリーのイルミネーションのように
キラキラと光が瞬き始めました☆☆

それが「ヒメホタル」    でした!!

ホタルというとゲンジボタルやヘイケボタルのように水辺に棲む昆虫と思いがちですが、
このヒメホタルは一生を陸で過ごす「陸生ほたる」の一種で、杉林などの中に棲み、
夏に成虫が発生すると、約0.5秒という短い間隔で点滅するのだそうです。

その生態については、実はまだよくわかっていないことが多いのだそうです。
里山の杉林や竹林などに観られるが、その生息場所はあまり多くない。
オスは飛翔しながら点滅するが、メスは飛ぶことが出来ないらしい。
そのため、生息場所の拡大には、とても長い年月が必要なのだと考えられているそうです。
成虫の発生時期は、日南町では例年7月いっぱいで、新暦の七夕の頃ピークを迎えるそうで、
日没直後の8時頃から10時頃が観察に適した時間帯だそうです。

森が一斉に点滅する様子は、まさに夏の夜の幻想とでも言うべき、忘れがたい光景です。

是非みなさんも一度ご覧になってみて下さい。

ただ、観察のマナーは守って戴きたいですね☆

ヒメホタルの点滅は、オスとメスが出会い、子孫を残す為の大切な信号です。
この信号は、強い光を当てると役に立たなくなってしまいます。
車のヘッドライト、懐中電灯などを当てることは絶対にやめて戴きたい。
また、メスは飛べないので、うっかり踏んでしまうこともあります。
福万来では、地元の人たちが観察マナーの指導をしているので、
その指示に従って観察して下さいね♪

蛍の恋をそっと見守ってあげて下さい。
そして、あなたの恋も成就しますように☆と、お祈りしています☆♪

第二回「紫陽花寄席」

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6月27日土曜日、梅雨だと言う事をうっかり忘れてしまいそうな晴天の朝を迎えました。

数ヶ月をかけて準備を進めて来た、第二回「紫陽花寄席」当日です!

早朝、奈良を出発した、桂まめださん御一行が到着されたのは
11時過ぎだったでしょうか?!

開場の5時になると、一年間この日を愉しみに待っていて下さった方々が
続々とお越しになりました。
勿論、昨年の好評を訊き付け、今年は是非にとご参加下さった方々も
次々いらして下さいました。

小学校低学年のお孫さんを連れて来て下さった方や、
92歳のお姑さんを伴って来て下さった方ありと、年齢層も幅広くなりました☆

開演の6時が近づいてくると、もう店内はお客様で一杯になり、
慌てて補助椅子を並べたり、珈琲と明日香村より届けて戴いた
飛鳥藍染織館の名物「きんつば」の接待で大童となっていました。

その、紫陽花寄席を企画して下さり昨年は司会進行もして戴いた
飛鳥藍染織館の館長渡辺誠弥さんが、今年はお仕事の都合で来て戴けなくなり、
代わって司会をBSSの板井アナウンサーにお願いしていました。

そして、まさにその板井アナに始めて貰おうとしていたその時、
サプライズは起きたのです!!

今日はお仕事の都合で、どうしても来る事が出来ないと仰っていた渡辺さんが
突然「吹野」にご登場になったのです☆!

まめださん御一行も私も、皆「鳩が豆鉄砲」を喰らったようになってしまいました。
その驚いた私の表情は、落語と同じくらい面白かったと、後で聞かされました(笑い)

お仕事の遣り繰りをし、昼過ぎの大阪難波発の高速バスに飛び乗り、
急遽駆け付けて下さったのでした。

折角来て下さったのだからと司会をバトンタッチしようとした板井アナを制し、
進行を板井アナに任せると、一番後ろの席に腰掛けてしまわれました。

はじまりの挨拶に呼ばれた涙腺の弱い私は、渡辺氏のサプライズの感動で
皆さんの前で思わず感激の涙を零してしまいました。

それから、昨年と同じく、春雨や落雷さんの「崇徳院」をご披露戴きました。
益々腕を上げられた軽妙なお噺に、みなさん聴き入っていらっしゃいました。

そして、まめださんのご登場となると、花道を歩いている時から
盛大な拍手で、高座に座ったら、まだ何もしていないのに
皆さんの笑い声が聞こえてきました。
本当に恵まれたキャラをお持ちです☆

 たくさんの「小話」に爆笑が起こり、「子ほめ」にも沢山の笑いを頂戴し、
最後には、かくし芸の「南京玉簾」まで披露して下さり、拍手喝采となりました。

こうして今年も無事、「落語会」を終える事が出来ました。
昨年とほぼ同じ35名のお客様にお越し戴きました。
何故狭い店内でこれ以上お入り戴けないので申し訳ありませんでしたが、
お帰りの際、皆さんが口々に「愉しかった☆」「面白かった☆」「また来年も☆」
と言って下さり、大変嬉しく、様々な困難を乗り越えて頑張って「良かった☆」と
この場をお借りして、皆さんにお礼を申し上げます。

当日、「紫陽花寄席だから、紫陽花の花がいいかな~と思って~♪」
と言ってお庭の花火紫陽花を沢山持って来て下さった木村さん、有難うございました☆

二つ返事で司会を引き受けて下さった板井アナ、有難うございました。

そしてスタッフとして手伝って下さったみなさん、有難うございました。

それから、お忙しい中、駆け付けて下さった渡辺さん有難うございました。
その日、最終の高速バスでとんぼ返り、早朝奈良着で
そのまま蕎麦打ちをなさった事と思います。
本当に心より感謝☆です。

そして、35名のご来場下さった皆さま、本当にありがとうございました☆☆

 

 

 

出雲路

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昨日は、梅雨とは思えない爽やかな晴天の定休日となり、
昼食も兼ねて西へ車を走らせてみました。

お昼はお気に入りの「草庵」で・・・
ここは湯の川温泉にある湯宿で、飛騨高山から移築した古い建物は、
食事だけでも出来るようになっていて、時々出掛けます。
料理も器も、とっても美味しく愉しめる大満足のお昼を戴いた後は、
開期も残り少なくなった『島根県立古代出雲歴史博物館』の
並河萬理写真展「神々の座出雲」を観に行きました。(7月5日まで)

古代出雲の謎を秘めて横たわる山並み、不思議な懐かしさを感じさせる雲、
宍道湖に映える夕日の美しさ、目に見えぬ縁を永遠に結ぶために神々が集う国出雲。
このたおやかな風景にシルクロードを旅して世界中の神々の姿をみ続けてきた
並河萬里氏がファインダーから捉えた国出雲に圧倒されました。

そしてもう一箇所、私のお気に入りの場所にも立ち寄りました。
それは斐川町にある『出雲キルト美術館』です。

2004年4月、日本で初となるキルト作家・八幡垣睦子さんの常設展示場として開館され、
出雲平野の雄大な自然の中に古民家を改装した、一見美術館とは気付かない建物の中に、
季節の移ろいに合わせた作品、しつらえ・・・空間全体でキルトを表現し、
文化を伝承する美術館が私は大好きです☆

初めて訪れたのは昨年の4月でした。春といえば桜・・・
その日は、館内に桜の大木が、巧みなプロの技と思わせる照明の中でいきいきと咲き誇り、
キルトの延長上の床には、はらはらと花びらを散らすという演出が施されていました☆

その、粋でお洒落で、垢抜けたキルトの展示方に、唖然としました。

中庭にいけられた花にも、手入れの行き届いた建物や庭園も、
すべてがその八幡垣さんの作品と一体となって美術館の中で囁きかけて来るのです。

昨日の「朱夏の羅」展(9月15日まで)では、
『睡蓮三部作』と『瑠璃色の蓮』に、完全に心奪われました。
こんな部屋で、一日ぼ~っとしていたいな~♪なんて思いました☆

一回目と三回目となる今回と、偶然にも八幡垣先生にお会いする事が出来、
直接、作品の説明を伺えるという幸運に恵まれました。
昨日は、蓮に寄り添って描かれている「蜻蛉」のお話をして下さいました☆

色々な方にお薦めするのですが、どなたも喜んで下さいます。
みなさんも是非一度お出かけになり、ゆっくりとその空間を満喫して戴きたいと思います。

今朝も、明け方目覚めると、空には一番星が・・・
今日も良い一日でありますように~☆

いよいよ明日は「紫陽花寄席」です!!


 

父の日

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今日は父の日でしたが、皆さんは「お父さん」とどう過ごしましたか?!

これは「邂逅(かいこう)」と題して9年前、日本海新聞の「手鏡」に
私の父への想いを書かせて戴いたものです。

  東郷湖畔のあやめが池に両親を連れて出かけたのは六年前の六月。
  そのとき、倭文神社もいいと聞いていたので足を伸ばしてみた。
  石段を登りつめると「一ノ宮」とあり、それを見た父が、つかの間足を止めた。
  そして鳥居の前に立った時、ずっと昔ここに来た事がある、と言う。
  暫く首を捻っていたが、ぼやけていた思い出が少しずつ輪郭を描いていくように
  「お前が生まれる時、安産をお願いに来たんだ」と私を見て微笑んだ。
  その時まで母も全く知らなかったことだった。
  あまり子煩悩でもなかった父が、まだ見ぬ我が子の為に安産祈願など、
  信じられないことだった。
  父の想いが、たまらなく嬉しくて、胸が熱くなった。
  お賽銭を投げ、手を合わせ、溢れそうになる涙を堪えるのが精一杯だったことを
  憶えている。
  その父が逝って一年が過ぎた。
  すべてが嘘のようで、紛れもない現実。
  病院への送り迎えをした四年間、三度の入院。自宅で介護した五十日間は無我夢中だった。
  救急車で病院へ運び、泊り込みで看た最後の九日間。
  点滴で紫色に染まった痛々しい両腕、痩せ細っていく手足。
  そしてその朝、私が仮眠から目覚めるのを待っていたかのように逝ってしまった。
  この世で父と呼べるたった一人のかけがえのない人を失い、
  自分が自分でなくなるほど泣き崩れた永遠の別れ。
  葬儀、初七日と、すべてが梅雨と共に行き過ぎ、心に大きな風穴を開けた。
  私の助手席で、お気に入りの三橋美智也を聴きながらドライブするのが大好きだった父。
  新緑の大山を走ったのが最後となった。
  私が撮った笑顔の写真が遺影となり、父の戒名は私のペンネームとなった。
  まだ暫くは、泣かずに父を語れそうにない。              雅雲


昨年末、お父さんを突然に亡くされた寧子さん、
半年ではまだまだ悲しみは深く、残されたお母さんを支える事で
精一杯のことと思います。
ゆっくり、ゆっくり、少しずつ、少しずつ、笑顔を取り戻して下さい。
きっと天国で、お父さんはあなたとお母さんを、微笑んで見守っていらっしゃいますから☆
お父さんは、あなたの心の中で永遠に☆

6月23日、父が遠いところへ旅立って今年で10年になります。
未だに、父を語る時には涙が溢れる私です。

トマトのジャム?!

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K君が初めて珈琲屋吹野へ来た時は、まだ高校生でした。
詰襟の学生服で通って来てくれていたのは、もう20年も前になります。

高校を卒業すると、大阪に就職したのですが、
数年後、家庭の事情で米子へ帰って来ていました。

そのK君が、久し振りに顔を見せてくれました。
10キロ太ったというその顔は昔よりふっくらとしていましたが、
恥ずかしそうに話すのは昔のままでした。

おばあちゃんとお父さんとお姉ちゃんの4人家族だったなあ~
なんて、K君が当時語ってくれた家庭の事情が、
私の記憶の中から甦って来ました。
未熟ながらも彼の悩みの相談を受けて語り合った日々が、
「思い出」という引き出しの中から、次々と取り出されてきます。

「ブレンド珈琲と、ジャムトーストをお願いします!!」
というオーダーを受け、熱い珈琲と、
できたてホヤホヤのジャムトーストを「どうぞ~」と並べると、
K君は、目をパチクリしています。そして、私が
「本日のジャムは、こちらが夏みかん、こちらがトマトのジャム
どちらも自家製で~す!!」と説明すると、
「ジャムって、苺だけじゃないんですね~☆!」と・・・

そうなんです☆!
昨年の夏から、手作りのジャムを始めたのです!!

きっかけは、戴いたたくさんの皮がはじけたトマトでした!
夏場は、雨の翌日晴天になると、前日の雨に濡れた皮が
お日様の陽射しの強さではじけてしまい、商品にならなくなるのだそうです。
それを大量に貰ったからと、おすそ分け戴いたのでした。

さて、この段ボール箱いっぱいのトマトをどうするか~と頭をひねり、
ジャムを思い立ったわけです!!
初めは自分用!!でした。
でも、あまりに美味しく出来上がったので、お客様に試食戴いたところ、
とっても美味しいとお褒めを戴いたので商品化に☆!

もちろん皆さんにご好評を戴き、トマトがジャムになるなんて!!と
驚かれる方もたくさんいらっしゃいました。
自分で言うのも何ですが、本当に美味しいんです!!☆☆☆
トマトが苦手!という方でも食べられるんですから!!

それから季節ごとに色々なジャムを作るようになりました。
そして、またトマトの季節がやって来ました。
去年の味を覚えていて下さり、「トマトジャム始まりましたか~?!」
と、お待ちかねのお客様もいらっしゃいました☆
嬉しいですね~☆

というわけで、K君も初めて食べるトマトジャムに舌鼓を打ち、
思わず話も弾み、珈琲のおかわりをして、
父の日のプレゼントを探しに出かけて行きました。

素敵なプレゼント、見つかったでしょうか☆♪☆