記念日に

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新年1月最後の土曜日
開店後間もなく、若い女性が一人
「ここ、いいですか?!」と、私の立つカウンターの前に座った。
瞳は喜びに溢れていた。
オーダーの珈琲を前に置くと彼女は笑顔で語り始めた。
「昨年の11月に初めてこちらに来て今日が2度目なんですが、11月に来た時、入った瞬間に何だか解らない温もりに包まれたような感じがあり、食べても、飲んでもすべて美味しくて涙が込み上げてくるのを必死で堪えてました(笑)そして、その時から今日は絶対にこちらに来ようと決めていました。
実は明日が私の誕生日なんです[!!]30歳になります。
だから今日は20代最後の日なので、ここに来て勇気を出してカウンターに座りお話がしたいと思って来ました[!!]」

そう一気に話す彼女の心臓の高鳴りが聞こえてくるようでした。

そういえば...

昨年の12月29日にも
「私今日が45歳の誕生日なんです[!!]
25歳で2番目の子供を産んだ時、その子が二十歳になるまでは、どんなことがあっても頑張って生きよう!と無我夢中で生きてきました。
そして今日その日を迎えることが出来ました[!!]
だから今日は頑張った自分へのご褒美としてここへ必ず来たいと思ってました」と20年間の波瀾万丈な人生を涙と鼻水で語った女性がいました。

どうしたことか今30歳になろうとする彼女と45歳を迎えた彼女の座っている席がなんと同じ席なのでした[!!]

29歳の彼女もやはり悲しみを抱えてここに居ました。

人生の節目に、或いは記念日に訪れたくなる店
もしも珈琲屋吹野が彼女たちにとってそんな場所として位置付けられているとしたら...
とてもとても嬉しいことです。

彼女たちのこれからの人生が、ずっとずっと幸せでありますように...


2020年

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明けましておめでとうございます。
振り返ると昨年も多くのお客様に様々なお力添えを戴き、支えられた一年でした。

駐車スペースに出来た大きな水溜まりに、軽トラで何往復もして砂利を入れてくださったF氏。

床に引っ掛かる玄関ドアの下部を持参したサンドペーパーで懸命に削ってくださったI氏。

水道管の水漏れに気付き、漏れている箇所を探してくださった検針のお兄さん。

40年以上使い続けていた電話がとうとう使えなくなった時、飛んできてくれたY氏。

そして究極は7月31日突然の緊急事態に多くの仕事を抱えていらっしゃるにも関わらず無理なお願いを引き受けてくださったH工務店さん。

皆さんのお陰で2019年を乗りきることができました。

皆さんには本当に心より感謝申し上げます。

何とか無事2020年を迎えることができました。

新春初売りは3日です。
本年もどうぞ宜しくお願い致しますm(_ _)m


36年の時を越えて

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11月の連休の頃でした。
一組のご夫婦らしき方がご来店くださり、私たち36年ぶりです[!!]と仰り、懐かしそうに店内を見回していらっしゃるので、どちらから?と問いかけると「山口県からです!」という応えに驚く。

36年前、偶然お立ち寄りくださり、とても気に入り、いつかは私たちもこんなお店をしたいね、と云いながら帰り、そして山口で今も二人仲良く珈琲屋を営んでいると笑顔で語ってくださる奥様の話を優しい笑顔で頷くご主人が印象的でした。

その想い出の店へ36年ぶりに、やっと来ることができたと、喜び一杯のご様子。

大切にしていた36年前、吹野で撮った写真を見せたくて山口から持参してくださったそうなのですが、宿泊したホテルに置き忘れてしまったと残念そうに話され、このお店、ずっとずっと続けてくださいねとエールを戴きました。

写真見られなくて私も残念でしたが、嬉しい36年ぶりのお客様でした。

36年間想い出を温め続けてくださったことが、とても嬉しかったです。


猪突猛進?!

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松江から、ぶらりと訪れてくれる女性がいる。
不思議とここで珈琲を飲みながら出した答えは良い結果に繋がり、私にとって考え事や悩みを解決出来る処なんです!と話してくれた。

そんな彼女が先日少し暗い顔で現れた。
そして、呟く。
車が大破する事故に遭い、心が折れ、運転が怖くなっていたけれど、漸く今日、意を決したどり着きました[!!]と。
まだ事故の衝撃が心に大きな影を残している様子が伝わってきた。
誰でも事故の後は暫くハンドルを握るのが怖くなり、気持ちが沈みがちなのは痛いほど解る。
幸い大きな怪我は無かったけれど首に痛みが続いていたのが、やっと和らいだと笑みが零れた。
「相手の方の怪我は?」と問うと思いもよらぬ返事が[!!]
相手は人じゃないんです[!!]と
一体何がぶつかって来たの?
大きなイノシシでした!
ええ~っ!一瞬絶句です[!!]
今でもスローモーションで近づいて来るイノシシの顔が、はっきりと目の奥に焼き付いて離れないと...
信じられない恐ろしい体験をしたようです。
時が癒してくれるのを待つのみですが、早く元気を取り戻して欲しいものです。
有り難くない出来事でしたが、今年は猪年です。
もしかしたらラッキーな大当たりだったのかも[!?]

47サミッツ

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「誰でも登れる47サミッツ」

今年6月に山と渓谷社から発刊された<私家版登頂ガイドブックです。

著者の半田久氏とは東京の珈琲屋で修行時代に知り合った。

当時から頻繁に山に出掛け、いつも真っ黒に日焼けして笑うと目が無くなってしまう優しいお兄ちゃん的存在でした。

私が米子へ帰ってからもずっと年賀状の交流が続き数年前にモンベルを退社してからの年賀状は、その年に登った山々の頂きでの写真だった。

そして47都道府県の最高峰を制覇し完成したのが、この本でした。

ネットでも買えるけど直接注文してくれれば僕のサイン入りを送るよ(笑)のひと言で、

勿論私は直筆サイン入りを戴きました[!!]

いわゆる百名山ではなく各都道府県の最高峰を選んだというのも半田さんらしいと思う。

これから山に挑戦してみようという人の為に登山用具の揃え方から駐車場やトイレのことまで詳しく書かれている、 とても親切なガイドブックになっています。

勿論、鳥取県の大山も載っています!!

とても良い山だと高評価でした(笑)

山を愛する皆さん、是非手に取ってみてください。

山登りに絶好の季節になりました!!

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